キヤノン 一眼レフ RAW動画撮影 ってなに?

いきなりですが、CanonのEOSデジタル一眼ユーザーで Magic Lantern (以下ML)を知らない人はいないでしょう…と言いたいところですが、一般利用者にはあまり知られていません。この記事を開いた方は理解している人も多いかと思いますが、今回はML自体の説明と本来の使いみちについては割愛しつつ、EOSではRAW動画を撮れるよということについて紹介します。MLを知らなかった人も簡単にEOSカメラに追加できるのでおすすめです。実践的なチュートリアル記事やより専門的な記事は結構見つかりますので、今回はざっくりとした概要やRAW動画の良し悪しの点について説明です。

※MLはEOSをハックし便利な撮影機能を増やすツールです。
公式サイト(英語)
MLで出来ること
インストール方法(日本語)※Ver古め

そもそも RAW動画 とは何か?

RAW動画とは文字通りRAW(生)の動画です。

デジタル一眼などでの写真撮影では“RAW画像”というキーワードに必ず触れる機会がありますよね。露出やホワイトバランスなどカメラ素子が写した情報を、手に入れたそのままの形で出力するものです。JPEG等と違い、補正後データとして確定していない為、撮影後に明度やコントラスト、色彩などを劣化させずに編集出来ます。

RAW動画はまさにその動画版。

JPEG写真 = MP4、MOL等の圧縮動画
RAW写真 = RAW動画

普通、EOSのムービー機能では、H.264コーデックを使用して動画ファイルを圧縮エンコードします。つまり、撮影時点で既に露出や色情報などが確定され削ぎ落とされた上に劣化したファイルが出来上がります。後から編集を加える事は可能ですが、最初に失われた情報の利用はできません。

RAW動画はそうなる前段階で出力されますので、無編集の段階で既に階調表現や映像のきめ細かさに差が出てきます。また編集段階でも“生きている情報”が残っているので、表現の幅がかなり広くなります。

下記動画はMLを使用して5D Mark3で撮影されたRAW動画です。

映画みたいでとても綺麗ですよね。

まるで動く写真。それもそのはず。RAW動画とは現像を経たRAW写真のパラパラ漫画と同義だからです。もちろん、上記動画はこういう印象になるよう現像(編集)を加えられており、作者のセンスやノウハウが多分に活かされているのですが、それでも普通の一眼レフをハックしてこんな映像が撮れる、と聞くとびっくりですよね。

MLでの RAW動画 撮影は色々制限がある

キヤノンでは本来、RAW動画撮影に正式に対応しているのはシネマEOSの一部ハイエンド機だけです。どれも映画や映像撮影に使われる放送機材で、車が簡単に買える価格の機種ばかり。それがMLを使うと一眼レフから出力される…普通に考えるとヤバイですね。しかし、良い話ばかりではありません。

MLでのRAW動画撮影は一長一短です。

長所:とても美しい
画質を保ったまま幅広い編集が可能

短所:対応機種に制限
録画時間や解像度に制限
ファイルサイズが巨大
RAW現像が面倒
カメラが壊れても自己責任

この内、最大のネックは対応機種と性能制限です。常用可能な範囲では、5D35D2、6D、 7D、60D、kissシリーズ、ミラーレスEosM など。現在のところ、FullHDで安定して撮影出来るのは、5D mark3のみ。5D2は僅かに解像度が下がりますが撮影可能時間は安定しています。その他は最大解像度や録画時間に制限があります。(逆に5D3は4K映像撮影に手を伸ばす鬼畜っぷり)

連続撮影可能な解像度とその際のFPS(2015年)

5D3:1920*1080-29.97fps
5D2:1880*940-24fps
7D:1728*972-24fps
6D:1840*460-24fps
50D:1584*1058-24fps
60D:960*540-24fps
700D:1280*720-24fps
650D1280*720-24fps
600D:950*540-24fps
500D:950*540-24fps
550/550D950*540-24fps
EOSM:1280*720-24fps
連続撮影が困難な理由は概ねSDカードスロットの速度限界を超えるデータ転送によるものです。スロットの問題なのでどんなSDカードを使用しても変わりありません。写真機に対して要求する転送速度≒撮影データ量が莫大なのです。例えばかなり優秀な60Dでも1728*972だと計137frame。 24fpsで数秒が限界です67,3 MByte/sの要求に対してSD転送が21 MByte/s以上出せない為、本体メモリの余録で数秒こなしなんとか数秒って感じです。5D3や5D2が得しているのは、高速なコンパクトフラッシュ使用できるからです。

ML RAW動画 はエンコードまでが面倒

RAW動画では、ファイルの色調補正(カラーグレーディング)編集やエンコードに手間が掛かります。そのままでいいじゃんと言う人いるでしょうが、弄っていないRAW動画はノッペリと薄かったり、ピンク掛かっていたりであまり使えません。RAW写真だってそうですが、撮れば終わりではなく、その後にソフトでの現像、編集の過程があり、最終的に各フォーマットになる訳です。

MLのRAW動画にも色々方法はありますが、よくあるワークフローは、

Windowsの場合

  1. 撮影された.Rawファイルをraw2cdngで.ChinemaDNGに変換
  2. AdobeのLRやAE,Ps(のCamera RAW)等で現像(色調等編集)
  3. 現像されたデータ(JPEG等も可)をPPro、Gopro等で編集、動画エンコード

となります。正直、意味不明ですか? RAWムービーのパフォーマンスを最大限活かそうとするとこうなっちゃいます。フリーソフトでも簡易のチェックや画質調整とH264.エンコードが可能な MLV Producerが日々開発されています。これにある程度の色補正機能付いてくれると最高ですね。

有料ソフトの名前がたくさん出てきましたが、要は一度、現像し、そのファイルを扱えるソフトで動画編集する必要があります。Macでもソフトが変わるだけで基本は同じです。Mac環境であれば、最初の変換手間を抑えるMLVFSを利用して.MLVを直接.CDNGとしてDaVinci Resolveなどのフリーソフトで現像/動画編集を始めるのが良いですね。WindowsならAdobe製品がおすすめです。普段の凝った動画作りにも便利です。

今回のまとめ

世の中が4Kベースに移行しつつあり、画像サイズだけはわざわざ一眼レフでRAWビデオなんて…という時代になっています。が、折角一眼レフがあるのなら試してみても良いのではないでしょうか。結構遊べます。階調表現などはその辺の”4K撮影対応スマホ”とは比べ物にならないですよ。それに少なくともMLを利用すれば写真撮影では絶対的に便利です。

ちなみにより手軽に RAW動画 撮影を可能にしたBPCCというのも販売されています。RAWビデオ機にしては格安なのですが少々お高い…。

これだとGoProを買いたくなってしまいますね。

無論、予算がある方で普通の動画や写真(とついでに最強RAW動画)を楽しみたい方であれば5D3がベストです!!

Canon デジタル一眼レフカメラ EOS 5D Mark III ボディ EOS5DMK3

また折を見て更新情報や具体的な使用方法を書こうと思います。

ではまた。

おまけ

以前、CANON EOS 60D でテスト撮影してアップしてみました。


観れない場合はコチラ

キヤノン 一眼レフ RAW動画撮影 ってなに?

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